3行まとめ
このテーマをもう少し広げて見るなら、VCF 5.2.xから9.1へ移行前に確認する:8ステップ順序、VCF Management Services、NSX経路の実務ポイント と VCF 9.1移行前にCPU/サーバー互換性を確認する:Skylake、Cascade Lake、BCG/RPQの実務ポイント も合わせて確認してください。9.1.0.0100の適用前に、5.2.xから9.1へ上げる順序とVCF Management Servicesの前提を先に確認できる。
2026年6月5日付で、ESX、vCenter、vSAN、NSX、SDDC Manager、VCF Operations、VCF Automationの9.1.0.0100リリースノートを確認します。
VCF 9.1本体の新機能紹介ではなく、既存の9.1環境に対するコンポーネント別パッチとして読みます。
5.2.1からの経路制約、vSAN compute clusterのQuick Patch pre-check、SDDC Managerの表示問題を先に確認します。
Express Patch 01という呼び方で探しても、判断軸はTechDocsの9.1.0.0100表記に戻すと確認漏れを減らせます。
- Broadcom TechDocsでは、VMware Cloud Foundation 9.1のPatch Releases 9.1.0.xとして、ESX、vCenter、vSAN、NSX、SDDC Manager、VCF Operations、VCF Automationの9.1.0.0100リリースノートが公開されています。各ページの公開日表示は2026年6月5日で、内容は主にセキュリティ強化を含むパッチ確認として読むべきです。
- 重要なのは、VCF 9.1本体の新機能紹介と9.1.0.0100のパッチ適用判断を混ぜないことです。Patch Releasesはコンポーネントごとに適用要否を見られる性格のリリースであり、すべてを一括で進める前提ではありません。
- 適用前に必ず見たいのは、VCF 5.2.1から直接9.1.0.0100へ進めない経路制約、vSAN compute clusterでQuick Patch pre-checkが失敗し得る既知問題、SDDC Manager UIやVCF Operations側に9.1.0.0100が表示されない場合の扱いです。
VMware Cloud Foundation(VCF)9.1をすでに検証しているチームにとって、9.1.0.0100は見逃しにくい更新です。SNSや運用者コミュニティではExpress Patch 01のような呼び方で話題になりやすい一方、導入判断ではBroadcom TechDocsの正式な表記である9.1.0.0100を軸に読むほうが安全です。
この記事の目的は、パッチの存在を知らせるだけではありません。読者が自分のVCF環境で、どのコンポーネントを確認し、どの経路で進め、どの既知問題を先に潰すべきかを整理できるようにすることです。
VCF 9.1本体の新機能や導入全体像は、当サイトのVCF 9.1を導入前に確認する:API-first、アップグレード計画、管理サービスIPの実務ポイントで扱っています。今回はそこから一段狭く、2026年6月5日公開の9.1.0.0100パッチリリースノートに絞ります。
なお、本記事はBroadcom Inc.およびVMware/Broadcom関係会社とは非提携の情報整理です。セキュリティ修正の詳細、CVE番号、サポート条件、契約条件は、適用前にBroadcomの公式ドキュメント、Security Advisories、契約窓口で確認してください。この記事は投資助言ではなく、AVGO株式の売買や短期値動きを推奨するものでもありません。
9.1.0.0100はVCF 9.1の機能追加ではなくパッチとして読む
Production AI、Private Cloud、Operations、Automation、Kubernetes、Memory Tieringなどの大きなテーマを把握する入口です。
2026年6月5日付のPatch Releases 9.1.0.xとして、セキュリティ強化を含む更新をコンポーネントごとに確認します。
ESXだけを急ぐのか、vCenter、NSX、SDDC Manager、Operations、Automationまで含めるのかを環境別に分けます。
9.1.0.0100はVCF全体のBill of Materialsを新しく組み直す話ではなく、影響範囲を切って読むパッチリリースです。
9.1.0.0100を読む時に最初に分けたいのは、VCF 9.1本体の話と、9.1.0.0100パッチの話です。
Broadcomは2026年5月5日にVCF 9.1を発表し、Production AI、Private Cloud、Operations、Automation、Kubernetes、Memory Tieringなどの大きなテーマを示しました。これはVCF 9.1の背景として重要です。ただし、2026年6月5日にTechDocs上で確認できる9.1.0.0100は、そうした新機能を紹介する記事として読むより、既存の9.1環境に対してどのコンポーネントをどう更新するかを見るパッチリリースとして読むべきです。
Patch Releases 9.1.0.xの位置づけ
根拠
Broadcom TechDocsのPatch Releases 9.1.0.xページでは、パッチリリースを、主要リリース、マイナーリリース、メンテナンスリリースの間に出る時限的な修正として説明しています。対象はセキュリティや重大な運用影響を含み得る問題で、コンポーネントごとに適用要否を判断できる前提です。
注意点
ここで大切なのは、VCF全体のBill of Materialsを新しく組み直す話ではないことです。パッチリリースは、すべてのVCFコンポーネントが同じタイミングで同じ重さで更新されるものとは限りません。ESXだけを急ぐのか、vCenterやNSXも同時に確認するのか、SDDC ManagerやOperationsまで含めるのかは、自社環境の影響範囲とメンテナンス計画に合わせて分ける必要があります。
Express Patch 01という呼び方と9.1.0.0100表記
条件
運用者の会話では、Express Patch 01という名前のほうが伝わりやすい場面があります。検索需要としても、その呼び方で探す読者はいるはずです。
確認項目
ただし、本文では9.1.0.0100を主語にします。BroadcomのUnified VCF Product Releases & VersioningのKBでは、VCF 9.0以降、VCFのBill of Materialsに含まれるコンポーネントは共通のバージョン規則とリリースサイクルに沿うとされています。旧来はMajor、Update、Patch、Express Patch、Hot Patchのような呼び方がありましたが、VCF 9.xでは5つの数値フィールドを持つバージョン表記が中心になります。
つまり、読者が実務で見るべきなのは「Express Patch 01という名前が出ているか」だけではありません。TechDocs、SDDC Manager、VCF Operations、ダウンロード済みバンドル、各コンポーネントのリリースノートが、同じ9.1.0.0100を指しているかをそろえることです。
9.1本体の背景として残るポイント
VCF 9.1本体は、Production AIやPrivate Cloudの文脈で語られます。Operations、Automation、Kubernetes、Live Patching、Memory Tieringなど、導入判断に関わる要素も多いです。
ただし、9.1.0.0100の記事でそこを広げすぎると、読者が知りたい適用前チェックがぼやけます。VCF 9.1の全体像は背景として添える程度にし、この記事では次の3つに絞ります。
- 9.1.0.0100の対象コンポーネントは何か。
- 自社の現行バージョンから進める経路に制約はないか。
- vSANとSDDC Managerの既知問題を先に確認したか。
この3点が曖昧なまま「セキュリティ更新だから急ぐ」とだけ読むのは危険です。急ぐ必要がある更新ほど、どの範囲で急ぐのかを先に決める必要があります。
対象コンポーネントを一覧で確認する
同じ9.1.0.0100でも、確認画面、保守枠、既知問題はコンポーネントごとに変わります。
Broadcom TechDocsのPatch Releases 9.1.0.xページでは、9.1.0.0100の対象として、vSphere配下のESXとvCenter、vSAN、NSX、SDDC Manager、VCF Operations、VCF Automationが並びます。
各リリースノートで共通して見えるのは、公開日が2026年6月5日であること、What's Newとしてセキュリティ強化を含むリリースであることです。一方で、既知問題や適用時の注意点はコンポーネントごとに違います。
コンポーネント別の版数と読みどころ
確認した一次情報を、適用前の読みどころに絞ると次のようになります。ビルド番号は記事作成時点、2026年6月6日 Asia/Tokyoの確認です。
| コンポーネント | TechDocs上の版数と日付 | ビルド | 適用前に見るポイント |
|---|---|---|---|
| ESX | VMware ESX 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25433460 | live-patchable releaseとされ、各環境でQuick Patch前提、メンテナンス枠、ホスト影響を確認する |
| vCenter | VMware vCenter 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25417926 | 管理プレーンのパッチとして、vCenter Applianceの更新手順と前後の依存関係を見る |
| vSAN | VMware vSAN 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | ESA Build 25434574、OSA Build 25434573 | vSAN compute clusterのQuick Patch pre-check既知問題を先に確認する |
| NSX | NSX 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25470810 | ネットワーク基盤の変更として、NSX側の運用影響と保守枠を別に確認する |
| SDDC Manager | VMware Cloud Foundation Installer 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25428926 | 5.2.1からの経路制約と、Available Upgradesに出ない既知問題を確認する |
| VCF Operations | VCF Operations 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25435105 | Cloud Proxy、Fleet Lifecycle、Log Management、Real-Time Metricsなどの周辺部品も含めて見る |
| VCF Automation | VMware Cloud Foundation Automation 9.1.0.0100、05 JUN 2026 | Build 25429499 | 自動化基盤のパッチとして、Automation利用環境では読み飛ばさない |
この表は、どれを一括で当てるべきかを決める表ではありません。むしろ逆です。自社環境で使っているコンポーネント、管理しているチーム、メンテナンス枠、障害時の切り戻し手順を分けるための入口です。
ESX、vCenter、vSAN、NSXの確認順
ESXは、今回の9.1.0.0100で特に注目されやすいコンポーネントです。リリースノートではlive-patchable releaseとされ、各種セキュリティ強化を含むことが示されています。
ただし、「ライブパッチ可能」という表現を見た瞬間に、どの環境でもメンテナンス影響が小さいと判断してはいけません。Quick Patchの対象、ホストの状態、vLCMの事前チェック、クラスタ種別、周辺のvSANやNSX依存関係を確認してから進めるべきです。
vCenterは、管理プレーンの中心です。vCenter Applianceのパッチとして見るだけでなく、SDDC ManagerやVCF Operationsのライフサイクル画面から見た時の表示、バンドル取得状態、既存アラートの有無も合わせて確認してください。
vSANは、今回の既知問題確認で主役になります。特にvSAN compute clusterを使っている場合、Quick Patchのpre-remediation health checkが失敗してESXホストのアップグレードを止める可能性があります。vSAN HCIやvSAN Storage clusterと同じ扱いにしないことが重要です。
NSXは、リリースノート上ではセキュリティ強化を含むリリースとして確認できます。ネットワーク基盤の更新は、ホストや管理プレーンの更新よりも影響範囲が見えにくいことがあります。NSXを含める場合は、Edge、Tier-0/Tier-1、分散ファイアウォール、ロードバランサ、監視の事前確認を自社手順に合わせて行ってください。
SDDC Manager、VCF Operations、VCF Automationを読み飛ばさない
9.1.0.0100をESXやvCenterだけの話として読むと、管理・監視・自動化の影響が抜けます。
SDDC Managerは、VCFライフサイクルの入口です。今回のリリースノートには、5.2.1から9.1.0.0100へ進む場合の経路制約と、9.1.0.0100がAvailable Upgradesに表示されない場合がある既知問題が書かれています。つまり、SDDC Managerの画面に出るかどうかだけで「使えない」「まだ来ていない」と即断しないほうがよいです。
VCF Operationsは、VCF Operations本体だけでなく、Cloud Proxy、Fleet Lifecycle、SDDC Lifecycle、Log Management、Salt、License Server、Real-Time Metrics、VCF Operations for networks、HCX、orchestratorなどを含む更新として確認できます。Operationsを使っている環境では、監視やライフサイクル表示側の整合性も見る必要があります。
VCF Automationは、セルフサービスや自動化ワークフローを使っている環境で重要です。アプリチームやプラットフォームチームがAutomation経由でNamespace、VM、ワークロード、テンプレートを扱っているなら、パッチの読み飛ばしは避けてください。
5.2.1環境からの経路を先に分ける
- 1現行VCF版数を確認
まず自社環境が5.2.1、5.2.2、5.2.3、9.1系のどれにいるかを確認します。
- 25.2.1なら中間更新を計画
VCF 5.2.1環境は、先に5.2.2または5.2.3へ上げてから9.1.0.0100へ進む前提で計画します。
- 3バンドル状態を確認
SDDC Managerの状態、ダウンロード済みまたはアップロード済みのバンドル、中間更新の可否を確認します。
- 4保守枠を分けて確保
中間更新と9.1.0.0100適用を同じ作業として扱わず、互換性確認、バックアップ、変更申請を分けます。
5.2.1環境では、9.1.0.0100を見つけても直接の次の行き先として扱わないことが重要です。
今回の記事で、最初に確認してほしい実務ポイントは経路です。
SDDC Manager 9.1.0.0100リリースノートには、VCF 5.2.1環境から9.1.0.0100へアップグレードする場合、まず5.2.2または5.2.3へ上げ、その後で9.1.0.0100へ進む必要があるとされています。
これは小さな注記に見えますが、メンテナンス計画ではかなり大きな違いです。
5.2.1から直接9.1.0.0100へ進めない
経路の確認
5.2.1環境を持つチームは、9.1.0.0100のリリースノートを見つけた時点で、すぐに「次の行き先」として扱わないでください。
先に確認するのは、現在のVCFバージョン、SDDC Managerの状態、すでにダウンロード済みまたはアップロード済みのバンドル、中間更新の計画、5.2.2または5.2.3への更新可否です。ここを飛ばすと、パッチ適用というよりアップグレード計画全体のやり直しになります。
特に、VCF 5.2.1から9.1系へ上げる計画をこれから作るチームは、9.1.0.0100だけを見て判断しないほうがよいです。5.2.2または5.2.3を経由するための保守枠、互換性確認、バックアップ、変更申請が別に必要になります。
9.1系にいる環境と5.2.1環境を分ける
すでにVCF 9.1系にいる環境と、5.2.1から上げる環境では、見る順序が違います。
9.1系にいる環境では、主な論点はコンポーネントごとのパッチ適用要否、Quick Patchの事前チェック、既知問題、保守枠です。ESXだけを急ぐのか、SDDC ManagerやOperationsも同じタイミングで見るのかを、環境影響に合わせて決めます。
一方、5.2.1環境では、9.1.0.0100の前にアップグレード経路の整理が必要です。中間更新をどう扱うか、5.2.2または5.2.3への移行後にどのタイミングで9.1.0.0100へ進むか、OperationsやAutomationの移行順序をどうするかを計画に入れてください。
経路確認で見るチェック項目
経路確認では、少なくとも次を見ておきたいところです。
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 現在のVCFバージョン | 5.2.1、5.2.2、5.2.3、9.1系で手順が変わる |
| SDDC Managerの版数 | 9.1.0.0100の表示やPlan Upgrade/Plan Patchの扱いに関わる |
| バンドル取得状態 | ダウンロード済みでも画面に出ない既知問題がある |
| vSAN cluster種別 | vSAN compute clusterかどうかでQuick Patch pre-checkの注意点が変わる |
| Operations利用有無 | VCF Operations側のLifecycle表示や監視への影響を見るため |
| Automation利用有無 | 自動化ワークフローやセルフサービス利用者への影響を見るため |
| 保守枠と切り戻し | セキュリティ更新でも、運用停止や復旧手順は別途必要になる |
この表を埋められない状態なら、9.1.0.0100の適用判断に進むより、まず一次情報と自社の運用台帳を合わせるほうが先です。
vSANとSDDC Managerの既知問題を適用前に確認する
Quick Patchのpre-remediation health checkが失敗し、ESXホストのアップグレードが止まる可能性があります。KB 442180の最新版を確認します。
KBでは標準的なvSAN HCIやvSAN storage clusterは影響を受けないと説明されていますが、実環境のpre-check結果は別に確認します。
パッチバンドルを取得済みでも、Lifecycle Management配下に9.1.0.0100が表示されない場合があります。
画面に出ないだけで未提供と判断せず、リリースノートに案内された標準ワークフローを確認します。
既知問題は環境条件によって見え方が変わるため、勝敗ではなくクラスタ種別、画面表示、公式手順の確認で判断します。
9.1.0.0100で特に読み落としたくないのが、vSANとSDDC Managerの既知問題です。
どちらも「リリースノートを読んでいれば避けられる」種類のつまずきです。逆に言えば、急いでパッチを進めるほど見落としやすい場所でもあります。
vSAN compute clusterのQuick Patch pre-check
影響する環境
vSAN 9.1.0.0100リリースノートでは、vSAN compute clusterでQuick Patchのpre-remediation health checkが失敗し、ESXホストのアップグレードが止まる可能性がある既知問題が示されています。エラーとしては、health checkが完了できない旨の表示が出る場合があります。
Broadcom KB 442180も確認しました。KBでは、9.1から9.1.0.0100へLive Patch、つまりQuick Patchで上げる時に、vSAN compute clusterでライフサイクルのpre-checkがすぐ失敗し、remediation taskをブロックする症状が説明されています。vSAN Cluster Health dashboardに実際のヘルス問題や警告がない場合でも起き得る点が厄介です。
KB上では、この問題はvSAN compute cluster running version 9.1 GAに切り分けられ、標準的なvSAN HCIやvSAN storage clusterは影響を受けないと説明されています。原因としては、Live Patch remediation中にvLCMがvSAN compute clusterへ想定外のprecheckを走らせ、pre-check loopを止めることが示されています。
回避策の扱い
本文では回避策のコマンドや手順を再構成しません。KB 442180にはPowerShell scriptを使う方法やAPIを使う方法が示されていますが、手順は更新される可能性があります。実環境で使う場合は、Broadcom KBの最新版、前提条件、サポート窓口の案内を確認してください。
SDDC Managerで9.1.0.0100が表示されない場合
確認画面
SDDC Manager 9.1.0.0100リリースノートには、もうひとつ重要な既知問題があります。
パッチバンドルをダウンロードまたはアップロード済みでも、SDDC Manager UIのLifecycle Management > SDDC Manager配下に9.1.0.0100が表示されない場合があります。同じ問題は、VCF Operations側のBuild > Lifecycle > VCF Instances > 対象VCF instance > SDDC Manager Upgradesでも起き得るとされています。
この場合、画面に出ないから未提供だと判断するのは早いです。リリースノートでは、標準のPlan UpgradeまたはPlan Patchワークフローを使ってSDDC Manager patchを適用する回避策が案内されています。
実務では、次の順で確認すると混乱しにくくなります。
- パッチバンドルが実際にダウンロードまたはアップロード済みか。
- SDDC Manager UIとVCF Operations側のLifecycle表示で同じ状態に見えているか。
- Plan UpgradeまたはPlan Patchの標準ワークフローに進めるか。
- 進めない場合、TechDocs、KB、サポート窓口で既知問題として扱われているか。
UIだけで判断しない、というのがここでのポイントです。UI表示は重要ですが、バンドル状態、ワークフロー、リリースノートを合わせて見る必要があります。
ESXのライブパッチ表現を一般化しすぎない
ESX 9.1.0.0100のリリースノートでは、live-patchable releaseとされています。これは運用上うれしい情報です。
ただし、ライブパッチ可能という言葉だけで、全環境で再起動や影響がないと断定するのは避けてください。vSAN compute clusterのpre-check問題が示すように、パッチそのものの性格と、自社環境での事前チェック結果は別です。
ESXホスト、vLCM、vSAN、NSX、vCenter、SDDC Manager、Operationsのどこで止まるかは環境によって変わります。特に本番クラスタでは、アプリ影響、DRS、HA、ストレージポリシー、バックアップ、監視アラート、変更承認をまとめて確認してください。
適用前チェックリストに落とす
急ぐべき更新ほど、何を確認済みかを残してから保守作業へ進むほうが安全です。
ここまでの内容を、適用前のチェックリストに落とします。目的は、パッチを怖がることではありません。急ぐべき更新ほど、どこまで確認したかを短時間で共有できるようにすることです。
まず見る7項目
チェック表
| チェック | 確認すること | 未確認ならどうするか |
|---|---|---|
| 1. 現行VCF版数 | 5.2.1、5.2.2、5.2.3、9.1系のどれか | 5.2.1なら中間更新の計画を先に作る |
| 2. 対象コンポーネント | ESX、vCenter、vSAN、NSX、SDDC Manager、Operations、Automationのどれを使っているか | 使っていないものも依存関係だけは確認する |
| 3. パッチの目的 | 各リリースノート上でセキュリティ強化を含む更新として確認したか | CVE番号や深刻度を勝手に補完せず、公式Security Advisoriesを確認する |
| 4. ESX Quick Patch | live-patchable releaseの前提、vLCM pre-check、保守枠を確認したか | pre-check結果を待ってから適用可否を判断する |
| 5. vSAN cluster種別 | vSAN compute clusterか、vSAN HCIか、vSAN storage clusterか | compute clusterならKB 442180を必ず確認する |
| 6. SDDC Manager表示 | Available Upgradesに9.1.0.0100が出るか、バンドル状態はどうか | 表示されない既知問題を疑い、Plan Upgrade/Plan Patchを確認する |
| 7. 切り戻しと通知 | バックアップ、復旧手順、関係チーム通知、監視抑止を決めたか | パッチ適用日を決める前に運用手順をそろえる |
この7項目のどれかが空欄なら、適用を止めるというより、確認の順番を戻してください。TechDocs、KB、自社の構成情報、SDDC Manager、VCF Operationsの表示を合わせるだけで、判断の精度はかなり上がります。
すぐ進めやすい環境
次の条件がそろっているなら、9.1.0.0100の適用計画に進みやすいです。
- すでにVCF 9.1系にあり、5.2.1からの経路制約に該当しない。
- 対象コンポーネントごとのリリースノート、ビルド番号、既知問題を確認済み。
- ESXのQuick Patch、vSAN cluster種別、vLCM pre-checkの確認手順がある。
- SDDC ManagerとVCF OperationsのLifecycle表示が読める担当者がいる。
- パッチバンドルの取得、Plan Upgrade/Plan Patch、バックアップ、切り戻し、通知手順がそろっている。
- セキュリティ修正の詳細を、必要に応じてBroadcom Security Advisoriesやサポート窓口で確認できる。
この場合でも、コンポーネントごとの適用順序は環境に合わせて決めるべきです。ESXを急ぐ必要があっても、SDDC ManagerやvCenter、vSAN、NSXの状態を見ずに進めると、途中で手戻りが出ます。
先に棚卸しすべき環境
次の状態なら、パッチ適用より先に棚卸しをおすすめします。
- 現行VCF版数がチーム内で把握されていない。
- 5.2.1環境なのに、5.2.2または5.2.3を経由する計画がない。
- vSAN compute clusterを使っているかどうか、運用者が即答できない。
- SDDC Manager UIに表示される更新だけを唯一の判断材料にしている。
- VCF OperationsやVCF Automationを使っているが、更新影響を確認する担当者が決まっていない。
- セキュリティ修正という言葉だけで、CVEや影響範囲を未確認のまま説明しようとしている。
この状態で9.1.0.0100だけを追うと、良いパッチを悪い手順で扱うことになります。まずは構成、経路、責任分界、回復手順をそろえたほうが、結果的に早く進められます。
この記事で確認した結論
9.1.0.0100は、VCF 9.1の勢いに乗って読むニュースではなく、実環境の部品ごとに読むパッチリリースです。
ESX、vCenter、vSAN、NSX、SDDC Manager、VCF Operations、VCF Automationのどこが対象か。5.2.1から直接進めようとしていないか。vSAN compute clusterのQuick Patch pre-checkと、SDDC ManagerのAvailable Upgrades表示問題を確認したか。この3つを見れば、適用前の会話はかなり整理できます。
VCF 9.1全体のPoCや設計に戻る場合は、VCF 9.1 Hands-on LabsをPoC前に使う:HOL-2701/2702/2703で確認するOperations、VKS、Memory Tieringも合わせて確認してください。Operationsで管理VMのリソース影響を見る場合は、VCF Operationsで管理VMのリソース割り当てを確認するが近い導線になります。
次に読むなら
Broadcomの公式発表、製品/サービス更新、噂確認、月次まとめの更新をまとめて追いたい場合は、ニュースレターで新着通知を確認できます。一次情報の確認手順を見直したい場合は、資料・確認ログも参照してください。
更新履歴
- 2026年6月6日
Broadcom TechDocsのVCF 9.1 Patch Releases 9.1.0.x、各9.1.0.0100リリースノート、KB 442180、関連KBと製品発表を確認して初版を作成しました。
- セキュリティ詳細
リリースノートでセキュリティ強化を含む更新であることを確認し、CVE番号、深刻度、環境別影響は公式Security Advisoriesで再確認する前提です。
- 導入前の前提
製品仕様、サポート条件、契約条件、提供範囲は、導入前に公式ドキュメントと契約条件で確認します。
- 投資判断との切り分け
本記事は製品・サービス・導入判断の確認を目的とし、AVGO株式の売買や短期値動きを推奨するものではありません。
更新履歴は、記事の確認範囲と読者側で再確認すべき情報を分けて読むためのメモです。
- 2026年6月6日: Broadcom TechDocsのVCF 9.1 Patch Releases 9.1.0.x、各コンポーネント別9.1.0.0100リリースノート、Broadcom KB 442180、Unified VCF Product Releases & Versioning、BroadcomのVCF 9.1製品発表を確認し、初版を作成。
- 記事作成時点では、9.1.0.0100の各リリースノートでセキュリティ強化を含む更新であることを確認しました。CVE番号、深刻度、環境別影響は本文で補完せず、適用前にBroadcom Security Advisoriesやサポート窓口で確認する前提です。
- 本記事はBroadcom Inc.およびVMware/Broadcom関係会社とは非提携の情報整理です。製品仕様、サポート条件、契約条件、提供範囲は導入前に公式ドキュメントと契約条件で確認してください。
- 本記事は投資助言ではありません。AVGOの株式売買、目標株価、短期値動きを推奨するものではなく、製品・サービス・導入判断の確認を目的としています。
次に読むなら
参照した主な情報源
- Broadcom TechDocs「Patch Releases 9.1.0.x」(2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x.html
- Broadcom TechDocs「VMware ESX 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vsphere/esx/esx-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「VMware vCenter 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vsphere/vcenter/vcenter-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「VMware vSAN 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vsan/vsan-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「NSX 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/nsx/nsx-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「SDDC Manager 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vcf-installer/sddc-manager-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「VCF Operations 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vcf-operations/vcfoperations-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom TechDocs「VCF Automation 9.1.0.0100 Release Notes」(2026年6月5日公開、2026年6月6日参照)
https://techdocs.broadcom.com/us/en/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-1/release-notes/patch-releases-9-1-0-x/vcf-automation/vcfautomation-9-1-0-0100-release-notes.html
- Broadcom Knowledge Base「vSAN Compute Cluster Live Patch Pre-check Fails during Upgrade from 9.1 to 9.1.0.0100」(Article ID: 442180、2026年6月6日参照)
https://knowledge.broadcom.com/external/article/442180
- Broadcom Knowledge Base「Unified VCF Product Releases & Versioning」(Article ID: 410435、2026年6月6日参照)
https://knowledge.broadcom.com/external/article/410435/unified-vcf-product-releases-versioning.html
- Broadcom「Broadcom Announces VMware Cloud Foundation 9.1, Enabling Secure and Cost-Effective Infrastructure for Production AI」(2026年5月5日公開、2026年6月6日参照)
https://www.broadcom.com/company/news/product-releases/64326
